今回はクロアチア旅行や移住にかかせないクロアチア基本情報をご案内します。
クロアチアの人口と国土面積、日本との時差
日本ではまだあまりなじみのないクロアチアですが、それもそのはず、1991年に旧ユーゴスラビアから独立したばかりの比較的新しい国です。
クロアチアの人口は約410万人で、大阪府の半分弱。国土面積は5.6万平方キロ、北海道の約80%です。
日本との時差は冬は日本マイナス8時間、3月最終日曜日から10月最終日曜日は日本マイナス7時間です。
EUでは、時間が一時間ずれる「夏時間」制度を廃止する議論が行われているので、将来的には、時差は日本時間マイナス8時間だけにすっきりするかもしれません。
3月最終日曜日は1時間ソンする(朝9時だったのが朝8時になる!)ので、移動日の場合は特に!遅れないように注意が必要です!
クロアチアの地理と気候
クロアチアは、アドリア海をはさんでイタリアの東側、オーストリアの南側に位置する、南東欧の小さな国です。
首都ザグレブZagregは北緯45.49度、樺太(サハリン)南部と同じくらいの緯度です。内陸に位置するので、一日の気温の変化が大きい大陸性気候。冬は真冬日が続くこともあり、雪も降ります。ザグレブからウィーン、ブダペスト、ベネチア、ベオグラード、サラエヴォへはいずれも約400キロです。
距離は同じでも、高速道路や交通機関の有無で、移動時間は大きく異なります!ザグレブから一番アクセスが気軽なのは、ウィーン。長距離バスで片道約5時間、私が乗ったときは4時間半と早く着いたので、5時間後にはホテルについていました。
ザグレブにいらした北海道出身の方は「札幌に雰囲気が似ている」とおっしゃる方も多いです。
一方、南部のドゥブロヴニクDubrovnikは北緯42.38度、北海道の苫小牧や帯広と同じくらいの緯度に位置していますが、地中海の一部アドリア海に面しているので、温暖な地中海性気候です。
いずれも、夏場の最高気温は、37度近くなるときもありますが、合計しても毎年1週間程度です。空気が乾燥しているので、屋内や日陰に入ると、ぐっと過ごしやすい一方、日差しはとても強いので、日焼け対策やサングラスがかかせません。
歴史的にも、クロアチア北部は、オーストリア・ハンガリー帝国の一部、アドリア海沿いはベネチア共和国の一部だったこともあり、内陸部と海岸部では、二つのまったく異なる趣が楽しめます。
クロアチアの治安はよい!
基本的に、クロアチアの治安はよいです。女性が一人で夜間歩いていても、原則、身の危険を感じることはまったくありません。
ただ、EU加盟後、観光地化がさらにすすんだこともあり、特に夏場、スリの被害が増えてきています。観光客がよく行くスポットで被害が発生しているそうです。
カフェやレストランでテーブルのうえにおいたスマホを取られるケースのほか、置き引きも発生しており、海外における一般的な警戒はしたほうがよさそうです。
治安情報については別記事でさらに詳しくご紹介します。
クロアチア入国のビザとパスポート
クロアチアへ観光目的で入国する場合、90日以内であれば、ビザは不要です。
パスポートの残存期間は、クロアチアを出国する予定日から数えて、少なくとも3ヶ月間の有効期限があることが必要です。
2021年からはデジタルノマドビザ制度が始まり、要件を満たす場合には、クロアチアに1年間滞在できるビザが取得しやすくなっています。
EU圏でもクロアチアの通貨はまだクーナHRKユーロ
クロアチアは2013年にEUに加盟しましたが、ユーロ圏にはまだ入っておらず、通貨はクーナHRKのままです入って、ユーロとなっています!
2021年現在、1クーナは約17円、ユーロは季節変動がありますが、1ユーロ、7-7.5クーナあたりで推移しています。
観光立国なので、アドリア海のリゾート地や、観光客相手のお店では、ユーロを受け取ってくれる場合もありますが、お店によって、良心的なレートから、かなりボッているレートまでさまざまです。
一部の例外を除きクレジットカードが使えるところも多く、交換レートもカード利用の場合が一番よいので、基本的にはクレジットカードの利用をお勧めしています。スキミングなどの被害もほとんど聞きません。
最近はアメックスが使えるところも増えてきてはいますが、やはりまだビザかマスターが主流です。
JCBは日本人旅行者の利用が多いところのみで使える場合がありますが、まだまだ数は少ないです。
クーナの現金があったほうがよいのは、青空市場や公衆トイレ、手荷物預かり所、カフェやチップ程度です。庶民派レストランやケーキ屋さんでは現金のみのところもまだごくまれにありますが、数は減ってきています。
日本ではクーナに両替できませんが、クロアチア国内では、銀行や両替所があちこちにあり、日本円からも気軽に両替できます。
ATMも多数あって、便利にキャッシングできます。ただし、ATMにも種類があり、手数料が低い銀行のATMがお勧めです。ごくまれにカードを飲み込まれるケースも発生しているので、営業時間中の銀行前のATMやタッチ式が安心です。
万が一にそなえ、ユーロの現金を小銭や少額紙幣で用意しておくとチップやトイレなどに使えて安心です!
EU加盟国ですが、シェンゲン協定も2021年現在、未加入なので、隣国へ行くにはまだ国境管理があります。逆にシェンゲン域90日間プラスクロアチアに90日間滞在できるので、長期旅行には重宝します。加盟しています。
クロアチアのチップ事情
日本人が苦手なチップですが、クロアチアにもチップの習慣があります。
ホテルではポーターさんに10‐20クーナ(約170-340円)、セルフサービスでないレストランでは総額の約10%、カフェやタクシーではおつりの小銭分を切りのいい数字にするなどです。
チップの失敗談も含め、クロアチアのお金関連は別記事でご案内します。
クロアチアの公用語はクロアチア語、英語はよく通じる!
クロアチアの公用語はクロアチア語です。
文字は日本でもなじみのあるローマ字ですが、čćžđšなどの文字がある代わりに、ywqxがありません。発音はjがyのように使われるので、Japanはヤパンとなります。
発音もCはツ(例、Cresツレス)、Rも母音のように使われるので(例、Krkはクルク、trgトゥルグなど)最初は戸惑いました。若者御用達のサマーフェスで有名なパグ島のZrćeも、外国人旅行者には「ザース」と呼ばれていますが、地元の本来の発音は「ズルチェ」とまったく異なります(笑)。
言語的には、ロシア語に似たスラヴ語の仲間で、超難解です。
ただ、観光立国の小さな国で、小学1年生からコミュニケーション重視型の英語の授業があり、英語が堪能な人がとても多いので、心配はまったく無用です。レストランやカフェなどお店の人はもちろん、タクシーの運転手さんや公共交通機関などでは、最低でも、片言話せる人がほとんどです。
聞いたり話したりはOKなのですが、ペラペラ話している人でも、書いたり読んだりは苦手な場合が結構あるので、メールの返事が返ってこない、などは比較的よくあります。
クロアチアのウェブサイトや街で見かける車のプレートの表示はHR。これは、クロアチアCroatiaは、クロアチア語ではフルヴァツカHrvatskaという名前のためです。(日本を英語ではJapan、日本語ではニッポンというのと同じです。)
クロアチアの宗教
クロアチアでは国民の約90%がローマカトリック教徒と言われています。そのほかは、セルビア正教、イスラム教、ユダヤ教などです。
クロアチアの大きな祝日はキリスト教に由来するものも多くあります。
カトリックの祝日は、独立記念日のようなそのほかの祝日に比べて、お店が休みになる割合が多いようです。特にイースターは毎年日付が変わるので要注意です!
観光立国クロアチア!
日本では、まだあまり知られていませんが、クロアチアは、実は、旧ユーゴの時代から、ヨーロッパでは夏のビーチリゾートとして有名です。夏の日差しが降り注ぐあたたかく美しい海を求めて、ヨーロッパ中からクロアチアのアドリア海を目指して多くのリゾート客が訪れます。
アドリア海を挟んで対岸にあるイタリアからも、多くのリゾート客がやってきます。
クロアチアのユネスコ世界遺産とその他の見どころ
クロアチアには、ユネスコ世界遺産が文化遺産、自然遺産あわせて合計で10件あります。
- ドゥブロヴニク旧市街(1979年)
- プリトヴィツェ湖群国立公園(1979年)
- スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿(1979年)
- 古都トロギール(1997年)
- ポレチュ歴史地区のエウフラシウス聖堂建築群(1997年)
- シベニクの聖ヤコヴ大聖堂(2000年)
- フヴァル島スタリ・グラード平原(2008年)
- 中世墓碑ステチュツィ(2016年)
- 16-17世紀のヴェネツィア防衛施設(ザダル、シベニク)(2017年)
- カルパティア山脈などの欧州各地のブナ原生林群(2017年)です。
このほかにも、イストラ半島のロヴィニュや、アドリア海の青の洞窟、セレブに人気のフヴァル島、クロアチア観光パンフ常連のブラーチュ島など、美しい見どころがたくさんあります。
クロアチア人の国民性
クロアチア人の国民性は、もちろん人それぞれですが、総じていうと、明るく親切です。素朴で、正直、楽観的、人なつっこく、のんびり、おおらかな人が多いのがクロアチア人の特徴です。
仕事は基本的に定時退社でほどほどに、家族やプライベート重視のお国柄なので、物質的や金銭的には日本ほど豊かでなくても、精神的なゆとりが感じられるのもクロアチアの魅力です。特に小さな子供がいると、驚くほどよってたかってちやほやしてくれます。
クロアチアの人は、日本好き、日本びいきが多く、日本人というと皆すごく親切にしてくれます。もともとは日本製品、日本文化への憧れから始まっているようです。
おわりに
クロアチアの基礎知識、いかがでしたでしょうか?ご質問やコメント等ございましたら、ぜひお知らせください。
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